上記写真はプレバランスで補正した140μの差異がある打抜機の最終出来上がり写真で有る。黒いエリアはフイルム2枚残で40μ有りで白いエリアは9枚残で180μ位で仕上がっている。通常のムラトリ作業には40μ60μ80μの三種類で細かくムラトリ作業が行われて長時間のムラトリ作業となっている。で有れば黒いエリアのムラトリは30ミクロン厚みの30mm巾エリアテープを並べて上から更にもう一枚貼り60μかさ上げして、他の弱い箇所は30μエリアテープを一枚並べ30ミクロンかさ上げした後から通常ムラトリ作業をすれば、残りのムラトリを短時間で終われせる事が可能になる。
エリアテープはPBSフイルムと同じく世界で一番硬い樹脂フイルムで有る東レ製のPPS樹脂フイルムを使っている。テープ自体が半透明なのでムラトリ台紙に簡単に貼り込みでき、重ね貼りも簡単で有る。現在、極薄紙を切れないエリアのムラトリ台紙裏側に貼り作業をしているオペレーターさんも多くいる。裏側で貼り込みをする事は非常に煩雑で剝がれない様にするには取り扱いも難しくなる。刃の当たる個所に表側に30mm巾エリアテープを貼る方が簡単で有る。はじめは50mm巾で作成したが貼り込みが難しい事が判明して30mm巾で作成をした。ホルダーも市販の50mm巾ホルダーに巾を固定する為に硬いゴムドーナッツ形状のスポンジも作成した。
これだけの事が慣れるとムラトリ時間が半減すると考えている。エリアテープは30mm巾×50m巻で一巻で6千円で有る。ホルダーはドーナッツ付きで2千円で販売している。
慣れれば、プレバランス2.0をインストールすれば打抜機のバランス補正を無くして打抜製品形状だけでのムラトリ作業にする事で1/5位のムラトリ作業にすることが可能と成る。
プレバランスシステム(PBS)は国内400台以上の自動平盤打抜機のバランス補正を手掛けている。現在のPBS2.0では最終30ミクロンの昇圧調整で仕上げる為にインストール用マス目抜型か全く切れない状態から最終30ミクロン昇圧で全て切れる状態で仕上げている。その状態を維持する手法として半年おきの60分位のメンテナンスを続けて頂く事で可能と成る。
このバランス補正された打抜機では、打抜製品形状に依るにムラトリ用紙に、切れない部分をエリアテープ(30ミクロン×巾30mm)で貼ることで圧倒的なムラトリ作業時間の短縮に繋がる。エリアテープでのムラトリ方法は上記ワンタッチ2面付の抜型では真ん中の直線刃だけが切れる状態で底部分と蓋部分にムラトリ用紙に長くエリアテープで長く貼り込む。この状態で同じ抜圧で打抜いて更に切れない箇所を通常ムラトリテープを貼り込み仕上げる。この方法にすると上記抜型で、15分位のムラトリ時間で完了する。先日も上場企業T社様で2時間掛かるムラトリ作業を30分で終わらせてらっしゃると大変喜ばれていた。
ここで皆様からの質問は「切れている刃にも30ミクロンテープが貼られている事は刃先がつぶれないのか?」と云う質問で有る。厳密に云えば潰す事には成る。しかし一般的な打抜き機では120ミクロン以上が高低差は存在している訳で、そういう打抜機で50%切れた抜圧からムラトリスタートされるとすると、その時点で一番切れる刃は120ミクロン半分の60ミクロンの刃先を潰している事に成るので30ミクロンは問題には成らないと考えている。それよりもムラトリ時間を短縮する事の方が重要で有る。50%どころか70%からムラトリ作業開始の現場で有ったり、180ミクロン高低差の打抜機も普通に有るからで有る。
エリアテープは現在30ミクロン50m巻きで6千円で販売しているが今の在庫が終わり次第に20ミクロン100m巻きに切り替える用意をしている。なぜならば30ミクロ厚みPPSで作成するより当社在庫の20ミクロンPPS原反で作成する方が安く製造できるからで有る。厚みは30ミクロンがベストで有るかもしれないが足らなければ20ミクロン2枚張り合せれば良いからで有る。