打抜機オペレター自身で可能なマルチレイヤーフイルム補正①

昨年後半からPBSインストールを簡素化した手法の開発は20台以上の作業をこなして一段落したと考えている。PBSインストールで使うマルチレイヤフイルムは東レが開発している世界一硬いPPS樹脂20μフイルムの10層で0.2mmのフイルムで有る。簡素化に挑んだ理由は現在の専用インストローラーに頼らずにオペレーター自身が制作可能に成ればフイルム単体の販売に出来るからである。日本国内は代理店様がインストールしているので問題が無いが海外ではそうはいかない!
7年前の欧米での挑戦で通常のPBSインストール作業は作業が複雑すぎると云われ「NO」を出されたからだ。それと現在のPBSインストールが3年ごとの再インストールが必要な事が壁と成り更新する事が50%を切っている事で有る。今回の手法は半年置きにメンテナンスが可能で無期限で使用可能に成る。此の事の為にオペレーターレベルで制作やメンテナンス可能な作業を模索してきた!
条件はある!0.15mmi前後の高低差で収まっている事で有る。打抜機使用期間が新台から5年位以内だと確実に0.15mm前後には収まっているが、後はこれからのデーター構築だと考えている。勿論打抜機メーカーさんにもよるだろうが・・・それ以上の高低差は現在の代理店さんでのPBSインストールで無ければいけない。
ではどういう事かと云うと・・・
例えば最初に切れた抜圧レベルから補正をスタートさせて後の抜圧を0.03mmづつ上げて調整ををするからだ。なぜ0.03mmづつかと云うとMLFは一枚20μすなわち0.02mmで有る事を考えると0.03mmを導きだした。一度作業をした後に同じ抜圧で再度切れてないか?を確認して切れているエリアが出たら再度、MLFを一枚剥がすと確実に切れなくは成るし、切れない確率の方が高いからだ。0.03mm抜圧を上げる作業を6回もすると0.03×6回で0.18mmの高低差を無くする事が可能だからだ。仮に2回するにしても6回の作業が12回で半日は掛からないと・・・PBSインストールに比べると半日止めるのは長いが!それは後々のメンテナンス可能か、どうか?に繋がるので問題ないと考えている。
実質今迄の経験で、このMLF素材でのゾーンパッチ製作では2年未満の打抜機では1時間前後で終了、0.15mm前後の高低差打抜機で3時間~4時間位掛かった。
上記作業はBOBST社が推し進めているゾーンパッチ手法とと同じで増やす作業を減らす作業に切り替えただけで有る。と共に増やす事よりも減らす手法の方が簡単で確認もし易い。
 0.15mm前後の高低差の目安を調べるのは打抜機で0.2mmの用紙を最後まで切れずに上面に刃跡が全体に付くかどうか?で判明する。が!まず打抜機の循環オイル温度が適正にしないといけない。オイル温度は26度から28度に成らないと正常な抜圧とバランスが得られないからだが其の温度に達するには抜型チェスを抜き出して5千回転以上で30分のカラ運転が必要で有る。カッティングプレート上に0.2mm位のPETフイルムを先に貼るのはマス目抜型刃先保持の為のフイルムで有る。此の最後まで切れないで全体の跡が付く事が0.15mm前後高低差に収まっているか?どうか?の目安にしている。用紙はクッション性が有るので0.2mm用紙の実質圧縮厚みは0.15mm位とみるべきでは有るからだ。それ位で全体に刃跡が付くか?どうか?を判断した方が良い。これで切れるエリアが出てない事を確実に見る事が重要で有る。此処で切れる事を見逃してしまうと失敗してしまう事を2度くらい私は経験しているからだ。外側あたりが切れている事の見逃しをしていた。長文に成るのでここで一区切りとして次のブログに実際の手順を書き足していく。つづく・・・・