ムラ取り時間ゼロを考える。

打抜機のムラ取り時間ゼロを目指して・・・

私がプレバランスシステム(以下PBS)を開発して約10年の歳月が経過した。開発経緯はCAD面板位置決めのシステム面ピタ君(英名Dr.Pachi)を開発して打抜現場で立ち会った事から始まった。

面ピタ君立会いには新型での立会いだが大体が8面付前後の抜型が多かった。場合に依れば新抜型4枚の場合もありなのだが面ピタ君の説明をしながらでもひとつの抜型に掛かるのは10分位の時間だけで済むのだ。ほぼムラ取り時間は待ち時間で有る。場合に依れば4時間も掛けてムラ取りをオペレーターさんは掛けている。4つの新型を持ち込むとセット時間だけで一日掛かりの時間が掛かってしまった。その時間をムラ取り作業を見ていた訳だが、明らかに「打抜機のバランス」をムラ取り時間に費やしている事が判明した。4新抜型のムラ取りが同じエリアに偏っていた事を理解出来たからだ。
この事は知識としてムラ取りシートの他に「大ムラ取りシートの作制」の存在を知ってたが日本での採用されている会社は皆無で有って、ムラ取りシート裏側で抜型形状の刃密集箇所のエリヤを打抜機抜圧の低いエリアと共に薄紙を貼るレベルだった。どちらにしても新抜型各々に制作するのは時間のムダである。

〇大ムラ取りシート制作する方法

マス目抜型を使い薄紙10枚位を打抜いて薄紙の切れる枚数を見ながら弱いエリアに大ムラ取りシートに薄紙を貼り足していく事を繰り返して作製すると云う技術でした。ところが、この繰り返しの作業が延々と続く事が有ります。何故なら目測に依っての貼るエリアの見極めが難しく、強く当たるエリアが発生すると一機にバランスが崩れるからです。その為に米国などではティシュペーパーを貼り重ねて調整するとお聞きしました。薄くて強く当たる事が起きにくいからだと思います。しかし素材が柔らかいと持続性が保たれず、短期間でのメンテナンスが必要な様です。個人の技量と共に上手く出来る時と出来ない時が有ると云う運任せの技術です。

〇PBSの方法

PBSは日本の樹脂メーカーが東レが開発した世界一硬い樹脂で作られた20μのPPSフイルムを10枚を弱粘着で積層したPBSフイルムを素材にしています。先ずPBSハーフカット抜型をセットしてハーフカット抜圧の調整を板紙をハーフカットしながら定めます。刃が必ず貫通しない様な微妙なハーフカット抜圧レベルです。定まったら200μのPETフイルムを通紙します。この時点で全てのPETフイルム面に刃跡が付けばPBSフイルム1枚のインストールが可能と成ります。付かない場合は2枚以上のPBSフイルムが必要と成ります。この場合板紙厚みを図りながら厚くして板紙全体に刃跡が付く厚みを導き出します。PBS代理店インストーラー様は最大で7枚のPBSフイルムを重ねたインストールを経験されています。この時の厚みは1枚0.2mm×7枚で1.4mmの抜圧補正だった様です。一枚で可能と判っても出来るだけPBSフイルムの剥作業を少なくする為に抜圧を弱くしてPETフイルム全体に刃跡が付く抜圧レベルを設定していきます。抜圧が定まれば面盤を引き出しPBSフイルムをテープ止めして一回のハーフカットで終えます。此のまま打抜機はハーフカット用抜型を外して通常打抜き業務をして頂けます。外したPBSフイルムをインストローラーさんは場所提供をしてもらい剥がし作業に取り掛かります。106タイプの打抜機では剥がし作業は3時間前後掛かり最終的に保護板を2枚に別けてPBSフイルムを挟み込みテストカットをして最終のクワエ側第1刃の抜圧レベルを調整します。PBSでは仕上がってもクワエ側第1刃は弱く仕上がるので全体が切れてきた抜圧レベルで切れ過ぎるとバラケの原因に成るのでムラ取りテープ一枚位弱い位の調整を20μのフイルムを貼り足しながらの調整です。これが大体のインストール手順です。初期の頃は若干のクワエ側第1刃以外の弱いエリアに20μフイルム一枚を目測で貼り足しをしても全体の抜圧バランスが大きく変わった経験から貼り足す事の難しさを経験してクワエ側第1刃以外は貼り足し厳禁としました。又、有る時はインストールから10日目位の会社から抜圧バランスがおかしいと連絡が入り調査に入った。マス目抜型でテストカットすると明らかに抜圧バランスがおかしかった。調査の結果は保護板に小さな小石がめり込んでいる事が判明!小石が保護板からわずか飛び出ていました。小石は取り除きお話したのは「再インストールが必要かも・・・」です。しかし取り除きテストカットすると正確な抜圧バランスが出ていました。この事は鉄板保護板だったら打抜機天側にめり込んでいたと思います。PBSは事故で工具を置いたままのプレスで抜型側に工具がめり込むなどの事故を起こした場合は打抜機損傷有無に係わらず再インストールが必要とお話はしていますが、わずかな事故は打抜機フレームで歪みを吸収している気がします。BOBST打抜機の場合は面盤下側の面盤サポートを樹脂板にしているのも事故に備えての装備だと思います。結論的に部分的強い抜圧エリアが有る打抜機はフレームが歪んでいる可能性が高い事で有る。この事からPBSインストールは先に極端に強いエリアのフイルムを剥がしてからのハーフカットの方が良いと思います。インストール時に極端に強いエリアが有る打抜機は経験上全打抜機の50%位です。

現在のPBSは全体のテストカットでオペレーターさんはOK出して頂いていたのですが私は更に最終調整をする事を昨年から行う様に成りました。その作業は最新PBS動画にも入れ込みましたがテストカットでの打抜機の抜圧をわずかな上昇で切れだしたエリアのPBSフイルムをマジックで斜線を引き囲みカッターで一枚だけフイルムを剥がす作業を2回位繰り返す事で完成度が一機にあがる経験をしてきた事です。しかし前述の様に先に極端に強いエリアを無くしてからのハーフカットでこの事が何処まで必要なのか今後の課題です。結局PBSも強いエリアが有る打抜機では一回のハーフカットでは完全な反映が出来ないと現在私は考えています。打抜機歪みを無くしてからのハーフカットが必要だと思います。

〇LRSの方法

今回考案したLRSは保護板では無く面盤を二枚に別けて半年ごとのメンテナンスを容易した永久に使えるシステムです。初めは0.8mmの面盤にPBSフイルムを貼り込みして3mm面盤上に載せハーフカットをして行きますから切れたエリアが少しでも出てきたら剥がし更にハーフカットを繰り返す事で強く当たるエリアを解消しながらのハーフカットに成る訳です。

  • 4mmの面盤の上に1mmSUSカッティングプレートを使っている打抜機の場合には3mm面盤と8mmのステンレス板で同じ形状で制作して0.8mmステンレス板の方にPBSフイルム0.2mmの貼りこみ加工が施されています。

 

 

 

 

 

 

  • PBS用ハーフカット抜型をセットします。メタルダイを使っていますが完全な垂直度が間違いなければベニヤでの抜型でもOKです。

 

 

 

  • 打抜機にセットしてマス目の抜型でハーフカットします。抜圧レベルを少しづつ上げて行き切れ始めたらOKです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 切れた刃跡をカッターでつなぎます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • フイルムを剥きます。ピンクの箇所が向けた所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 通常に打抜きを行う時にはPBS貼り込み0.8mm面盤のの上に3mm面盤を置いて尚且つ通常の保存1mmカッティングプレートを置いて使用します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LRSはインストール後のメンテナンスは半年ごとに繰り返す事で簡単なメンテナンスで終える事が可能である。ただ3年前後に成ると貼り込んだPBSフイルムが10枚のウチ残り2枚前後に成ったら次回のメンテナンス前に新しいPBSフイルム10層を上から貼り足せば又、簡単な剥がし作業でメンテナンスを繰り返し使えます。結果永久的にLRSで抜圧バランスを良い状態に維持可能に成ります。

ただLRSは今迄の様な3年以上の打抜機でインストールをするには大ムラ取りシートを制作する位の時間が発生して打抜機を停止しての作業と成ります。 私は作業をする事は良いのですが代理店イントローラーさんにその作業をしてもらうのは難しいと考えています。その為に作業を慣れてもらう事と完成度が違う事の経験を積む事を考えて新台から半年程度の新しい打抜機からスタートさせたいと思っています。新しい打抜機でLRSイントールする事で半年後づつのメンテナンスで使い続ける事も導入先会社様の満足度も高いです。しかも古い打抜機で導入してムラ取りシートを使い続ける事は面盤を入替しながら作業に成り困難だと考えます。なので全部のムラ取りシートを作り直すつもりなら良いですが・・・其れは打抜機クリーニングをした事と一緒ですので「有り」かもしれませんが・・

〇ムラ取りゼロは可能か??

PBSを開発して現在思う事はムラ取り時間ゼロでの打抜き作業の可能性で有る。ムラ取り作業には3つの要因でムラ取り作業は必要に成っている。ひとつは打抜機の要因で正しく打抜機の経時変化に依るバランス崩れで有る。打抜機プレス部天板と駆動している下板で有るが設計上は限りなく平行に成る様に仕上がっている訳だが天板を支えているのは打抜機操作盤側と反操作盤側の2側面で支えられている。しかし打抜機の2側面はチェスや面盤出し入れが有る操作盤側と反操作盤側は同じ構造に成っていません。前に打抜機メーカーさん社長から剛性が必要な打抜機を作らないといけない時は2側面の剛性を高める為に補強材を2側面に施すとお聞きしました。要は同じ構造では無い2側面は新台では抜圧バランスが保たれているが経時変化が同じ様に起きない事は簡単に推測できます。この事で打抜機要因のムラ取りが必要に成っていますがLRSで解消は可能です。

ふたつ目は抜型製造要因です。抜型の製造要因とは刃曲げ時に起こる曲げ時の刃先外側倒れです。

普通にピン角での90度曲げで50μ位が刃先が低く成ると云われていてその為に刃内側部分を削るというブローチング技術も自動刃曲機で行えるように成っています。後はレーザーカットの垂直精度の狂いで起こります。その為にメタルダイとかサンドイッチダイなどの対策技術も出てきています。
みっつ目は抜型のメイキングや箱形状に依って起こる要因です。メイキングはコルクや硬いスポンジを使うと切れ具合が悪く成る事は理解しています。箱形状とは抜型全体に起こる刃の密集具合の事でこの事は多分に10c㎡あたりの刃の長さを解析すればデーターを取れば可能と考えています。これらの事を考慮してサービス化出来れば抜型メーカーが納品時にムラ取り済のムラ取りシートを納品可能です。又、優秀なオペレーターさんで有れば抜型を観て先にムラ取りが可能と成ると思います。